去り行く時


去り行く船を見送るのは別に辛いことじゃない
例え手がポケットの中に入っていても
これからの航海の無事を祈っている
去り行く船を見送るのは別に辛いことじゃない
去り行く船がどこへ行くのか
わからないことが、せつない

去り行く人の言葉はいつも胸に残らない
何か嘘で、響かない
去り行く人の言葉はいつも胸に残らない
聞きたくないわけではないから、俯いている

崩れていく毎日
揺らいでいる毎日
それでもやっと
堪えている毎日

久しぶりに少しの間
夜11時を過ぎたあたりから日付が変わる頃
記憶の片隅に眠るような、よく似た街の風景に
ひととき
心打ち振るわせる夜をありがとう
そこを離れていく僕には、何も言葉がなく
ただ見送る人を右斜めに感じながら
これからの航海に思いを馳せていた
ふりをするしかなかった

去り行く船を見送るのは別に辛いことじゃない
例え手がポケットの中に入っていても
これからの航海の無事を祈っている
去り行く船を見送るのは別に辛いことじゃない
去り行く船がどこへ行くのか
わからないことが、せつない


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